美容室のちょっとした会話のはなし

17日の美容室の会話の記憶

 

「○さんと話すのが楽しくて、この美容室に来るのが楽しみなんですよ」

 

「ありがとう。こう見えて性格は根暗だったんだよ」

 

「嘘でしょう」

 

「いや〜思い返すとさ、子供の時は外に出るの嫌いだったというか、プラモばっか作ってたなあ」

 

「それは意外です。てっきり外で遊ぶのが好きな少年時代だったのかと」

 

「よくお客さんに言われるんだよ!でもほんとはそんなことなかったんだよ。昔は喋るのも苦手でさ、専門学校通ってたときはカットしながらお客さんと会話するのもできなかったくらいよ」

 

「○さんの喋らないとこ全然想像できないですね。明るいイメージが強くて、話も面白いし」

 

「ほんと。練習なのにだまちゃってたんだよ」

 

「まぁそう弱音も言ってられないというか、美容師やりたかったし頑張ったなあ。この時期は壁にぶつかったりで、悩んで死にたいと思うこともあったな」

 

「本当ですか?絶対そんなこと言わなそうですが、やっぱり皆一度は考えることなんですね」

 

「そう。一度は皆考えることだと思うよね。でもさ、考えると死ぬって怖いんだよ。思っていても自殺なんてする勇気もなかった。したいと思っても出来ないんだよ。そもそもさ、いつか死んでいくっていう当たり前が怖いよな!今も怖いもん」

 

「よくテレビで、おじいちゃんおばあちゃんたちが、死についてどう思う?というアンケートみたいの放送してますけど、ほとんどの方は死を恐れてないですよね」

 

「歳とってくると身体も衰えていくからなあ。俺も死にたいと思ったあの頃と比べて、歳をとってみたら身体が弱くなってきたって最近感じるもの。生きたいって気持ちもあるんだろうけども、楽になりたいって気持ちのほうが強いんじゃないかな」

 

「そう考えると人間のシステムっていうのかな。いつかくる死に対して心構えが出来ているというか…」

 

「なんだかよく出来てるよね」